手筋: sup による中間値定理と「中間値の個数」不変量 (Ex IV.10.9)
- 手筋: sup による中間値定理と「中間値の個数」不変量 (Ex IV.10.9) #Card
- 連結性(第XIII章)もコンパクト性(第VIII章)も未導入の段階で、円周 $\rho$ と区間 $\mu$ が同相でないことを示す手筋は?
部品1: IVT の sup 証明(完備性だけで済む). $\varphi: [u,v] \to \mathbb{R}$ 連続、$\varphi(u) < c < \varphi(v)$ なら $$\theta^* := \sup{\theta \in [u,v] : \varphi(\theta) \leq c}$$ が存在し($\mathbb{R}$ の相対完備性、Example I.3.9)、ε-δ 連続性で $\varphi(\theta^) < c$ も $> c$ も sup 性と矛盾 → $\varphi(\theta^) = c$。使うのは sup の存在と cards/topology/continuity-epsilon-delta のみ。
部品2: 中間値の実現回数は同相不変. 同相 $h \in H(\rho, \mu)$ があれば、各値 $c \in [0,1]$ の実現点数 $\mathrm{card}, h^-(c)$ は 1(単射)。しかし円周では $0 = h^-(0)$ と $1 = h^-(1)$ の間に2つの弧があり、パラメータ化 $\varphi = h \circ e$($e(\theta) = (\cos\theta, \sin\theta)$、始収束の普遍性で連続)に IVT を弧ごとに適用すると $\tfrac12$ が2回実現される——単射性と矛盾。ゆえに $\rho \not\approx \mu$(Ex IV.10.9)。
射程:
- 「値の実現回数」「点を除いた残りの形」は初等的な同相不変量の原型(連結性導入後は「$\mathbb{S}$ は1点抜いても連結、$[0,1]$ は内点を抜くと分断」で一行になる)。
- IVT 自体は分布関数(CDF)が中間値をとること・分位点(quantile)の存在・確率積分変換の骨格。sup 構成は測度論の「inf/sup で最適な点・集合を捕まえる」議論(Dynkin 系論法の極大元など)の初等版。
Mathlib: intermediate_value_Icc(順序位相+条件完備束で一般化されている)。円と区間の非同相は Circle と Set.Icc の間に Homeomorph が無いこととして、通常 ConnectedSpace 系(Homeomorph.connectedSpace)で示す。