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$\mathbb{E}e_\mu$ は $\mathbb{E}a_\mu$ より細かいとは限らない(Fremlin の例) (Example XXII.9.24 / Remark XXII.9.26)

  • $\mathbb{E}e_\mu$ は $\mathbb{E}a_\mu$ より細かいとは限らない(Fremlin の例) (Example XXII.9.24 / Remark XXII.9.26) #Card
    • 2進分割の指示関数族を使って、概収束の可算台修正が概一様収束の可算台修正の系ではないことをどう示すか。

$[0,1]$ 上の Lebesgue 測度 $\mu$。各 $n<\omega$ に対し、${0,\dots,2^n-1}$ の濃度 $n$ の部分集合 $I$ を渡って $K:=\bigcup_{i\in I}[i2^{-n},(i+1)2^{-n}]$($\mu(K)=n/2^n$)とし、$X:=\bigcup_{n<\omega}{\chi_K:K\in\mathscr{K}_n}$($\mathscr{K}_n$ はこの形の集合全体)とおく。

  • $X$ の余有限フィルターは $0$ に測度収束する($\mu(K)=n/2^n\to0$)ので、$X$ 上の任意の自由超フィルターも測度収束する。
  • 一方、各 $A\subset[0,1]$(可測とする)に対し、$\chi_A$ に概収束する $X$ 上の超フィルター $\mathcal{U}_A$ が存在する(各点集合近傍と余有限フィルターが交わることを使い、有限部分集合上での一致を保証する超フィルターを作る)。

背理法による矛盾の論理形($\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}m_\mu$ が偽であること=Cor XXII.9.25):

  1. $\mu(A)>0$ となる可測 $A$ を固定する(例えば $A=[0,1]$)。上の $\mathcal{U}_A$ は $\chi_A$ に概収束し、かつ自由なので $0$ に測度収束する。
  2. 仮に $\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}m_\mu$、すなわち概収束が同じ極限への測度収束を含意すると仮定する。すると $\mathcal{U}A\xrightarrow{e\mu}\chi_A$ から $\mathcal{U}A\xrightarrow{m\mu}\chi_A$ が従う。
  3. 一方 $\mathcal{U}A\xrightarrow{m\mu}0$ も成り立つ。測度収束は $\mu$-a.e.-Hausdorff(cards/topology/filter-convergence-in-measure)で極限が $M_\mu$ の中で一意だから、$\chi_A=0$($\mu$-a.e.)、すなわち $\mu(A)=0$。
  4. これは 1 の $\mu(A)>0$ に矛盾する。よって仮定 2 は誤りで、$\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}m_\mu$ は成立しない(Cor XXII.9.25)。

矛盾の核心は「測度収束の極限の一意性 vs 概収束する非ゼロ関数 $\chi_A$ への収束が両立しない」こと:同一の超フィルター $\mathcal{U}A$ が測度では $0$ に、概収束では $\chi_A\neq0$ に向かうので、もし概収束が測度収束に落ちれば一意性が破れる。したがって概収束は測度収束(延いては概一様収束)に落ちない。さらに Prop XXII.9.17 の $\mathbb{E}a\mu\geq\mathbb{E}m_\mu$ と併せると、$\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}a_\mu$ なら $\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}m_\mu$ となって上に反するから、$\mathbb{E}e_\mu\geq\mathbb{E}a_\mu$ も成立しない($\mathbb{E}e_\mu\not\geq\mathbb{E}a_\mu$)。

Remark XXII.9.26(Stone 位相での補足): $\beta^X$($X$ 上の自由超フィルター全体、cards/topology/stone-topology-ultrafilter-space)において、$\operatorname{Seq}e_\mu$ で $0$ に収束する超フィルターの集合 $A$ は $\beta^$-開かつ稠密(したがって ${\mathcal{U}_A:A\subset[0,1]}$ は $\beta^*$ の中で疎(nowhere dense))——測度収束と概収束の乖離が、Stone 位相の中では「稠密開集合 vs 疎集合」という対比として可視化される。